以下は最近の研究成果のうちのほんの数例です。

地震時の地すべり・岩盤崩壊の数値シミュレーション

 地震動による斜面崩壊は周辺道路の寸断、河道閉塞などの深刻な被害をもたらします。本研究では、地震により斜面が不安定化し、大規模崩壊に至るプロセスを再現するための新たな数値シミュレーション技術を開発しました。岩盤中に局所的にひずみ軟化域が発生するメカニズムを、実際の被災斜面から採取した土の試料をもとに解明しました。

上図左: 小千谷市横渡の岩盤崩壊   上図右:層理面の力学特性を考慮した再現解析

中山間地の広域的な地震被害(影響度)予測システム

 2004年新潟県中越地震、2008年岩手・宮城内陸地震などに見られるように、山地が強震動を受けると同時多発的な土砂災害が発生することがあります。本研究で開発したFEMによる広域解析システムは、地震時に地すべり、土石流、表層崩壊などを比較的起こしやすい斜面を把握し、広域的な防災対策への手がかりを見つけようとするものです。

上図: 旧山古志村の芋川流域の全域を対象にした震度(最大応答加速度)分布の予測例

種々の形式の石積み擁壁の地震被害シミュレーション

 我が国で古くから使われている石積み擁壁のうち、裏込めをモルタル等で一体化することを省略した簡易な施工法を空石積み工法と言います。既存宅地の空石積み擁壁の耐震補強工法を検討することなどを目的として、種々の形式の石積み擁壁の地震被害の数値シミュレーションを行いました。解析コードの有効性を確認するために、実大模型の振動台実験結果を参照しています。

上図左: 実大模型による振動台実験の様子   上図右:FEMによる地震被害の再現結果

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